空の少女と海の少年
「ふ…二人共大丈夫……?」
「寿命が一気に縮まったわ……。」
「つーか一瞬死んだ。楽園が見えた……。」
力が抜けた2人を乗せて
てくてくとサバンナを歩く
ライオンと春は木の下でバトってる
海斗と蓮を見つけてスピードを上げた
奈々と陸は吹っ飛ばされないように
必死にライオンのたてがみ
にしがみついた
「海斗ーっ!陸ーっ!」
「春!?」
「春ちゃん!?」
春を見た2人はバトルを止め
我先にと春に駆け寄るが
海斗の方が先に春を抱き締めた
「勝手にいなくなるなって言ってるだろ。心配させんな。」
「ごめん海……ふぁっ。」
「春ちゃん。僕から離れちゃダメだよ。僕が春ちゃんを守るんだから。」
「ごめん蓮……。」
春を奪って抱き締めた蓮は
勝ち誇った笑みを海斗に向けた
ぷっちん
海斗はとうとう我慢の限界を超え
春を蓮から奪い返してキスをした
「俺の春に触んな。俺が春を守るんだよこのシスコン野郎。」
「海斗……僕の前で春ちゃんにキスするとはいい度胸だね……死ね!」
「俺は彼氏だから春に何してもいいんだよ。」
「そんなの兄貴の僕が許可しないから。」
「てめーは無関係だから指くわえて見てろ。」
「ああムカつく……。やっぱ殺す!」
春を抱えたまま
余裕の笑みを浮かべる海斗に
激しい憎悪のこもった表情の蓮
また戦い始めた馬鹿を
見つめながら2人と1匹は
深い深い溜め息をついた
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