空の少女と海の少年


突然、風が止んだ


その瞬間、海斗と春は右へ
奈々と陸は左へ跳躍した


ヒュンッ


風を切るような音と共に
避けきれなかった奈々の長い髪が
数本パラパラと地面に落ちた

4人は着地すると前を見据えた


「──さすが。でもそうこなきゃ、つまんないもんね。」


よかったよかったと
笑いながら闇の中から出てきたのは
春達と同い年くらいの金髪の少年


……誰?

笑ってるのに怖い

人じゃないの?

何で……誰……?


震える体を抱き締めて
春は怯えた瞳で少年を見た


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