空の少女と海の少年


『──海斗様?大丈夫ですか?』

「………。」


第五ステージは¨氷¨
凍りついた大地と海があり
夜空にはオーロラが煌めいている

海斗は冷たい氷の上に
放心状態で横たわりながら
幻想的なオーロラを見つめた


猫……猫……猫……


虚ろな瞳の海斗の体を
ユラは心配そうに揺らした


『海斗様、しっかりして下さい。』

「……にゃー。」

『……は?』

「にゃー……!?っここは……?ってユラ、何マヌケな顔してんだ?」


海斗の言葉にハッとしたユラは
今の鳴き声はなんだったのかを
聞きたかったが止めておいた

聞いてはいけないと
本能的に感じ取った気がしたからだ


『ここは第五ステージです。たくさんのトラップを仕掛けておきました。そしてゴールは……』


ユラはそこまで言って
パチンと指を鳴らした

すると海の中から
一匹のペンギンが現れた

ペンギンは海斗の前まで
来ると丁寧に一礼した


『ゴールはこのペンギンです。頑張って下さいね。』

「楽勝だな……と言いたいけど、どうせ何かしら仕掛けてあるんだ。本気で行くぜペンギン。」

「クエっ!」


ペンギンは片手を上げると
氷の大地を高速で走り出し
あっという間にその姿は見えなくなった


『¨高速ペンギン¨です。絶滅危惧種なんですよ。』

「嘘だろ。あんな奴を捕まえられる人間はいない。」

『いえ、彼らを捕まえるには……おっと危ない。ではいきますよ……スタート!』


合図と共に海斗は高速ペンギンが
消えた方に向けて走り出した


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