空の少女と海の少年
海斗は氷の大地を走って
ペンギンを追い掛けるが
速すぎてどこに行ったのか
分からなくなってしまった
目を瞑って集中し
神経を研ぎ澄まして
ペンギンの気配を探す
しかし、何かを感じて
すぐに上に跳んだ
バンッ
地雷か何かが仕掛けてあったのか
凄まじい爆発が起きて
周りの氷が割れていく
海斗は舌打ちをして
海面に氷を張り、着地した
「危ねえな……集中できねー……ん?」
煙が晴れて中心に立っていたのは
探していた高速ペンギン
手榴弾みたいな物を5・6個
持ってこちらを見ている
あいつは本当に絶滅危惧種?
戦争が起きても生き残りそうだぜ
そう思っていると
ペンギンはまた手榴弾を
海斗に投げつけてきた
溜め息をついて
右手を前に突き出し呟いた
『氷結。』
手榴弾は凍り付いて
海に落ちていき
海斗はそのまま手を
ペンギンに向けた
するとペンギンの周りが
光り出して光の檻となり
ペンギンを捕獲した
海斗はニヤリと笑って檻に近づいた
「捕まえた。」
「クェー……。」
悔しそうに目を伏せる
ペンギンの頭に触れて
海斗は姿を消した
すると、どこからともなく
現れたユラは光の檻を消して
ペンギンを抱きかかえた
『第五ステージ合格ですね。次は頑張って逃げて下さいよ?』
「クェー!」
ユラに頭を撫でられて
ペンギンは元気に鳴いた
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