空の少女と海の少年
──パラパラと
空が覗く大きな穴から
砂が落ちてくると
それが2人の合図となった
素早く重い春の攻撃を
大剣で受け止めながらも
ソウは的確に攻撃していく
春の体には無数の切り傷があり
疲労も溜まって動きに
キレがなくなっている
その一方で
ソウは無傷だった
疲れた様子は全く無く
身の丈程ある大剣を振り
更に春の体に傷を作っていく
『おい、それがお前の¨本来の力¨なのか?本気を出せ。』
「っ!」
本気?
最初から春は本気だよ
ソウが……
ソウが強すぎるんだよ
何で春の攻撃が効かないの?
全部をかわされて
逆に攻撃される
春は……
春は負けられないのに
悔しそうに唇を噛み締め
拳に雷を纏わせると
最高のタイミングに
最大限の力を込めて
ソウを殴った
『雷拳っ!』
キンッ
『それがお前の本気か。』
「嘘……。」
止められる筈は無い
最高のタイミングだった
春の雷を纏った拳は
パチパチとスパークしながら
ソウの大剣に受け止められていた
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