空の少女と海の少年
………俺様?
サラは舌打ちして空間から
雷牙を取り出すと
春に向かって跳んだ
それに気付いた春は
サラを見てフッと笑い
雷牙を片手で受け止めた
「相変わらず気が短いんだよサラは。俺様の話を聞こうと思わないのか?」
『今すぐ春から離れて消え去れ。気安く春の体を乗っ取るな。』
『乗っ取るな?違うな、貸してもらってるんだ。……ん、ああ分かった。』
春が目を瞑って再び開いた時
元の春に戻ったと感じたサラは
そのまま思わず抱き付いた
『春ーっ!会いたかったぞ!』
『えっとね……空(クウ)は久しぶりに出て来れたから、みんなと少し話したかったんだって。だから、春の体を乗っ取るとかそういうのじゃないから……。』
『分かったぞ春っ。春が言うなら間違いはないなっ!』
にこにこしながら
春に抱き付くサラを
ソウは引き離して
そのままウタに向かって投げた
『ウタ持っとけ。』
『サラ〜まだ試験中なんだからね。大人しくしてようね〜。』
『きっ気安く触るな馬鹿者!』
お姫様だっこが
気に入らないらしく
サラはウタの腕から逃れた
雲が太陽の光を遮り
春とソウの視線が交わる
『もう空はいいって?じゃあ始めるぜ。』
「うん、始めよう。」
再び太陽が地下を照らすと
それが合図となって
大剣と双剣がぶつかり合う
金属音が鳴り響いた
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