空の少女と海の少年


──数分後
5人は校長室にいた

時間は朝の10時だが
大きな窓の外は
夜よりも暗い闇に包まれていた

床に描かれた魔法陣は
長い距離を移動する為のもので
その横には協会の職員が立っていた


「皆様乗って下さい。」


職員の指示に従い
魔法陣の上に立つと
魔法陣は金色に光輝いた

5人の前に校長が現れ
にっこりと微笑んだ


「またこれに乗って帰ってきなさいね。」

「特別ボーナスちょうだいよ?」

「勿論よ。楽しみにしててちょうだい。」


奈央の言葉に
校長はクスクス笑った

そして真剣な表情に戻り
威厳のある声で
仕事内容を説明した


「Sランク能力者は中心地の魔物の殲滅、及び魔界との入口の封鎖・消滅を命じる。」

「「「「「承知しました。」」」」」


形式通りに一礼すると
職員は魔法陣を発動させ
5人は中心地へと移動した

残ったのは校長と職員


「華山校長、あなたには見えているのでしょう。」

「……ええ。私は今日ほど自分の能力を憎んだことはないわ。」


校長の悲しい表情に
職員は思わず息を呑んだ


「それは一体……。」

「知らない方がいいわ。」


校長は深呼吸して職員に命令した


「Bランク以上の生徒は街に派遣して。」


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