空の少女と海の少年
「……大歓迎的な?」
「話す暇はなさそうです。」
「さっさと片付けよう。」
一歩シェルターの外に出たら
そこまるで地獄だった
魔物の数は無限大
建物は破壊され血にそまり
植物は枯れ果てていた
悲しそうに眉を下げた玲が
枯れた植物に触れると
見る見るうちに草花が蘇って
血の海に少しだが緑が戻った
蘭は周りを見渡して
由紀のスカートの裾を引っ張った
「魔界の入口はどこ?」
「あれだよ。」
由紀が指差した先には
周りの闇よりも更に深い
濁った闇の球体が浮かんでいた
魔界の入口からは
次々と新しい魔物が
這い出てきている
後ろに気配を感じた奈央は
ピアスのジュエルに触れ
精霊の名を呼んだ
『クルー』
バンッ
乾いた銃声と共に
奈央の後ろにいた魔物は
粉々になって吹き飛んだ
魔物が立っていた場所には
水晶の欠片がキラキラと舞う
奈央は特殊なダイヤでできた
銃をそのまま構えた
奈央のジュエルは¨銃¨
撃った相手を結晶化させた後
内部で銃弾が爆発して
相手を粉々に吹き飛ばす
残るのは水晶の欠片だけ
奈央はニヤリと笑って
魔物に狙いを定めた
「久しぶりに本気でやるよ。」
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