空の少女と海の少年


「久しぶりに奈央の銃を見ましたよ。」

「3年ぶりかな。」


優と由紀はクスクス笑いながら
自分達もジュエルを変化させた

優は日本刀を構え
由紀は純白の鞭を持って

準備が整った3人は
顔を見合わせると
魔物の群に向かって走った

残された玲と蘭は
由紀にもらった
¨安全祈願¨の御守りを
握り締めて3人の無事を祈った


「僕達も行こうか。」

「マリアさん待ってるしね。」


玲と蘭は指輪に触れて
ジュエルを変化させた
玲は弓矢
蘭は絵の具セット

呼吸を整えて
前を見据えると
2人は魔界の入口に向かって走った


──中心地では既に7人が
魔物と戦っていた

その中には奈央の幼なじみ
直樹の姿もあった

直樹は両手を上げて
ニヤリと笑った


『風滅。』


声が響き直樹の髪を
風がなびかせると
その場に立っていたのは
直樹ただ1人だけ

半径100m内には
魔物だったと思われる
肉片が砂になっていくが
また次の魔物が押し寄せてくる


キリがない


直樹が溜め息をつくと同時に
懐かしい銃声が鳴り響いた


直樹はクスリと笑って魔物を
風の刃で切り刻みながら
幼なじみと背中を合わせた


「奈央に助けられるとはな。」

「油断すると死ぬよ。」


奈央の真剣な声に
短く返事をして
2人は迫り来る魔物を
次々と倒していった


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