空の少女と海の少年
「──近くで見るとでかいね。」
「そうだね。」
玲と蘭が魔界の入口に着いた時
すでにマリアが封印に取りかかり
3人の能力者がマリアを
守るようにして戦っていた
「マリアさん!」
「蘭ちゃん、一瞬でもいいわ。入口から魔物が出てこないように蓋をしてほしいの。」
できるかしら
マリアが視線を向けると
蘭は頷いてパレットに絵の具をだした
その行動にマリアは唖然とした
「……絵の具?蘭ちゃんの能力は一体……。」
「私の能力は¨癒¨。この絵の具はジュエル。」
純白の絵の具を筆につけ
空中に丸い円を描いて
それを塗り潰していく
その光景にマリアは目を疑った
蘭が円を塗り潰すと共に
濁った闇の魔界の入口も
純白に色を変えていく
入口から出ようとした魔物は
白に触れた瞬間砂となった
全てを塗り潰すと
蘭はにっこりと笑った
『浄化の白っ!』
「素晴らしいわ。じゃあ次は私の番ですね……。」
マリアは意識を
魔界の入口に集中させ
透き通るような声で呟いた
『消滅しなさい』
マリアの声に反応して
魔界の入口がある空間が
徐々に小さくなっていく
これがマリアの能力¨空間¨
空間を操り、時には消滅させる能力
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