空の少女と海の少年
◇4人の高校生
──マンションの一室
白と青で統一された清潔感のある部屋では
1人の少年がぐっすりと眠っていた
もうすぐ強制的に起こされる事も知らずに
ドタドタドタッバンッ!
「海斗ーっ!起きろおーっ!」
「──っ春……?お前なん「学校行くよっ!早く支度してしてーっ!」……はあ……」
急に部屋に入ってきた元気な少女に
少年は深い深い溜め息をついた
肩につくくらいのココア色の髪
小さな顔に大きな瞳と
可愛い顔立ちをしている
少女の名前は楠木 春
今まで夢の世界にいた少年
古賀 海斗の幼なじみだ
………眠い
朝に弱い海斗は眠い目を擦り
ゆっくりと学校の準備を始めた
昨日はあれから寝たの3時だし……
……睡眠時間4時間?
授業中に寝るしかねえか
また、溜め息
グレーの制服に袖を通して
赤いネクタイを結びながら
パンを頬張っていると
春が腕時計を指差した
「今日は始業式なんだよ!後10分で始まっちゃう!!」
「別に出なくてよくね?面倒だし」
「だーめーだーよっ!!ほら、行こ!」
春に背中を押されて家を出る
それは、いつもと同じ光景で
これから起こる非日常なんて
2人には想像も出来なかった
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