空の少女と海の少年
海斗は蓮に笑いかけた
「やるじゃん。」
「まあね。海斗には負けてらんないよ。」
「ああ。それよりも……。」
「¨海の神殿¨でしょ?」
蓮が声を潜めて言うと海斗は頷いた
奈央が騒がしいお陰で
話は誰にも聞こえていない
……いや、ひとりだけ
最初から聞いてる奴がいた
「その話、後で詳しく聞かせてね。」
由紀は目を瞑りながら微笑むと
海斗と蓮は溜め息をついた
エレベーターは最上階に着き
ぞろぞろと春達は降りたが
ここで問題があった
二人部屋が全部で5つ
誰と誰がペアになるかが問題
みんなはうーん。と考え始めた
「とりあえず玲と蘭は決まりよね。」
「「もちろんだよっ。」」
「私は優と一緒でいい。」
「そうですね。」
優は玲から部屋のカードキーを貰い
由紀と一緒に部屋に行ってしまった
残ったのは
春、奈々、海斗、蓮、陸、奈央
奈央はとりあえず春を指差した
「じゃあ春はー……」
「私と。」
「俺と。」
「僕と。」
見事にハモった
奈々と海斗と蓮は
顔を見合わせた
「私と一緒に決まってるじゃない。」
「由紀達もカップルなら、ここは普通に俺だろ。」
「君達ばか?僕と春ちゃんは常に一緒だから。」
少しの沈黙の後
表情は険しくなり
3人は睨み合った
「「「……は?何言ってんの?」」」
「え……ちょっみんな……。」
「佐藤止めとけ。ああなったら止められねえ。」
慣れている陸は関わると
ろくな目に会わないことを
身をもって知っているので
欠伸しながら奈央に忠告した
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