空の少女と海の少年


「──ひゃっほーうっ!気持ちいぜっ!」

「ちょっ、りっくん!暴れると落ちっ!」

「っ!馬鹿陸!」


バッシャン


見事にバナナボートから
落下した陸と蓮と海斗は
なんだか笑いが込み上げてきて
透き通る海に浮かびながら爆笑した


「全く……大丈夫ですか?」

「もちろんだぜっ!もう一回!」


引っ張っていた優が戻ってきて
3人はまたボートに跨り
ぎゃあぎゃあ騒いでいた

そんな馬鹿3人組をパラソルの下で
サングラス越しに見ていた奈々は
呆れたように溜め息をついた

白い体を際立たせる
黒いビキニが大人っぽい


「馬鹿ね。」

「今に始まった事じゃないよ。」


隣に座る由紀はクスリと笑った

由紀は泳がないのか
水着は着ていなく
真っ白なリゾートワンピを着ている

のんびりと過ごす2人とは違い
春と奈央と玲と蘭はというと


「春っ!いったよ!」

「任せてっ!」


えいっ!と可愛い掛け声と共に
繰り出されたのは豪速球サーブ
玲と蘭は瞬きする暇もなく
春のサーブは決まった


「「やったあっ!」」

「春ちゃん強すぎ〜!」

「あんなの取ったら腕折れちゃうよ〜!」


ブーブーと文句を言う
玲は青のグラデーション
蘭は赤のグラデーションの水着を着ている


「負け犬の遠吠え〜?こっちには春がいるから負ける気しないしっ!」


勝ち誇った笑みを浮かべる奈央は
派手な配色のビキニに
同じく派手アクセを付けている


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