空の少女と海の少年
「海斗っ!どこにいるの!出てきてよ!海斗ー……っ。」
「春……。」
しゃがみ込んだ春を
奈々は優しく抱き締めた
海斗は大丈夫よ。
奈々の優しい声が響くと
春は一気に涙が溢れ出した
大丈夫な訳ない
こんな暗い夜の海に
海斗は独りぼっちでいるんだよ
海斗……会いたいよ
お願いだから答えてよ
「…っく……海斗……。」
ポタリと、涙が頬を伝い
空色のジュエルに落ちた
パァンッ
突然輝きを増した春のジュエルは
暖かい光を一方向に放った
まるで、ジュエルが
進むべき道を照らしているようだ
「この先に海斗がいるの……?」
「行ってみようか。立ち止まっていても、何も変わらない。」
「そうね。進みましょう。」
「すげえよ楠木!大丈夫!この先に絶対海斗はいるぜ!」
「……うん!」
4人は顔を見合わせて
ジュエルの光が差す方へと進んだ
待っててね……海斗
すぐに行くから
春はぎゅっと唇を結んだ
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