空の少女と海の少年


『……ウタとセラは春達の完全覚醒が終わるまでここで待機していろ。それ以外はすぐに楽園に戻って城を守るぞ。』

『ちょっと待ってよ!僕だって戦う!ここはセラだけで十分だろ!?』

『お前とセラは戦闘には向いていない。援護はミウだけで足りる。』

『っ……!』


悔しそうに唇を噛み締める
ウタの胸をサラは軽く殴った

目が合うとサラは小さく笑った


『任せろウタ。私があいつらを炭にしてやる。』

『サラ……。』

『情けない顔をするなっ!……春達を頼んだぞ。』


サラはそれだけ言うと顔を逸らした

ほんのり赤い頬を見ると
思わず笑みがこぼれてきた


『サラ、無理しないでね。』

『……ん。』


これから始まる戦いでは
命の保証はできない

命に変えても空と海を守る

それが神の使命だから


『じゃあ……行くぞ。』


ソウが言うと神々は頷き
次の瞬間にはウタとセラを残して
一瞬で楽園へと移動した


『みんな……頼みましたわよ。』


セラは小さく呟いて
閉まったまま扉を見つめた


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