空の少女と海の少年
春はキョロキョロと
周りを探すが姿はない
「こっちだよ。」
春の後ろから現れた蓮は
そのまま春の両手を掴んだ
何故か蓮は掴んだ春の右手を
胸元のジュエルに触れさせた
手がジュエルに触れた瞬間
空色の瞳に光が戻った
「……え?」
「お疲れ様。……忘れてたよ。君の力を。」
ぼーっとしている春の耳元で蓮が囁くと
春は真っ青になって暴れ出した
その力は先ほどの半分以下で
蓮は思わずクスリと笑った
「春ちゃん、気に入ったよ。ねえ……僕の仲間にならない?そしたらもっと強くなれる。」
「……何!?離してっ!」
「君はもっと強くなれるんだ。今度は君を迎えに来るよ。」
そう言い残して蓮は闇に消えた
春が気を失い地面に倒れると
海斗は春に駆け寄り抱き締めた
「春っ……ごめんな…。」
「「………。」」
空を覆う黒雲は消え去り
戦いの前と同じ満天の星空の下
3人は己の弱さを思い知った
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