空の少女と海の少年


銀色の箱は思ったより軽くて
結構楽に湖からとってこれた

濡れた髪と服を風で乾かしてると
少年が銀色の箱をじっと見ていた


『開けていいよ。』

『……ん〜…お姉ちゃん開けてー。』

『いいの?』

『うん!早く早くっ!』


別に先に開けていいのにな……


そんなことを思いながら
少年に急かされて私は箱の蓋を取った


『………。』

『でかいね〜。』

『でかすぎでしょ。何の種なのよ……。』


手のひら位の大きさの種は
真っ白に輝いていて
私と少年はゴクリと息を呑む


『触っていいー?』

『ん、いいよ。』


瞳を輝かせる少年に微笑むと
少年はすぐに手を伸ばした

その手が種に触れた時
少年の口元は上がった


『お姉ちゃんありがとーね。お姉ちゃんが馬鹿なおかげで僕はこれを手に入れる事ができた。』

『は……?』

『神の奴らは邪心を持った奴がこの種を手に入れる事のないようにと、この湖に封印した。純粋な者が存在しない魔界の湖にね。』


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