空の少女と海の少年
春は必死で頭の中を整理すると
納得したようにポンと手を叩いた
「リールは悪くないんだ!その緑の男の子が悪いんでしょー!」
『……信じてくれるの?』
リールはポカンと口を開けている
さっきまで敵だった奴のことを
そんなにすぐ信じていいのかと
「なんとなくだけど……嘘ついてなさそうだし……んー…まあ春の直感だけどねーっ。」
『……くすっ。』
「えっ!?何で笑うの!?春おかしかった!?」
あわあわと髪を直す春を見て
リールは思い切り笑った
久しぶりに、心から
落ち着かせるように息をつくと
突然、信じられない映像が頭をよぎり
すぐに目を瞑って集中する
そんなリールを不思議に思ったのか
春は遠慮がちに声をかけた
「リール?どうしたの?」
『……何…で……?』
「リール?」
頭に浮かぶ映像が信じられない
どうして?
どうして
『なんっ……で…なんでアキが……?』
アキは死んだはず
なのになんで?
あの白銀の髪は
アキ?
『どういう事なの……!!』
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