空の少女と海の少年
恐怖を感じたように
大樹の根はピクリと震え
春と海斗に向かって一斉に振り落とされる
しかし、2人に触れる直前で
ピタリと根は固まった
動きたくても動けない
大樹の葉はざわざわと鳴いた
「闇の支配者は僕だよ。」
クスリと笑って指を動かすと
固まっていた大樹の根が幹に絡み付く
闇と言う名の糸に操られて
楽園の中の闇を支配する
それは不可能に近い
だが、それをやってのけたのは
空の王子である蓮だった
額を流れる汗を拭い集中力を更に高め
春と海斗を見るとフッと笑った
「早くしてよね……これキツいんだからさ。」
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