空の少女と海の少年
──城で両親が震え上がっている時
春と海斗は手を繋いで砂浜を歩いていた
中学生の時と、奈々達と5人で来た
大切な思い出が詰まった砂浜を
海面で太陽の光が反射して
キラキラと宝石のように輝く
2人は黙ったままだが
幸せそうに微笑んでいる
大好きな人が隣にいる
それがとても嬉しくて
自然と笑みがこぼれてくる
春がギュッと握る手に力を入れると
海斗は春の方を向いて笑った
春は胸が暖かくなるのが分かった
「海斗っ。」
「ん?」
「大好きーっ。」
「……知ってる。」
海斗は目を見開いた後視線を外して
春の髪をクシャリと撫でた
海斗照れてる……
いつもはクールな海斗の
春だけが知ってる癖
海斗の事なら何でも知ってる
だけど、もっともっと
海斗の事が知りたくて
もっともっと
春の事も知ってほしいの
海斗が大好きだから
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