空の少女と海の少年
「……知ってる。」
赤くなった顔を見られないように逸らして
春の茶色の髪をクシャリと撫でた
俺はこうするのが大好き
少し乱れた髪に隠れて
幸せそうに笑う春の笑顔が見れるから
俺だけが知ってる春の笑顔
はにかむように笑う顔
他の奴らに絶対見せない
俺だけの笑顔
春の事なら何でも知ってる
だけど、
もっと春の事が知りたい
そして、
もっと俺の事も知ってよ
俺と春だけが知ってる事
それをもっと増やしたい
これって我が儘なのか?
ま、そうだと言われても
絶対やめねえけどな
春と一緒にいると
なんつーか……
ギュッと締め付けられて
暖かい気持ちで胸が満たされる
春が隣で笑ってくれれば
もう他に何もいらない
もしも……
春が同じ気持ちだったら
俺は世界一の幸せ者だ
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