空の少女と海の少年
「あ、奈々に陸、おはよー」
春はすぐ後ろに立っていた
2人の男女に笑顔を向けた
胸まである真っ直ぐな黒髪に
完璧な程に整った顔立ちの美女
柊 奈々はにこりと微笑み
耳に付いた沢山のピアスと
アシメの赤い髪が目立つ男
新堂 陸は海斗を肘で小突いた
「一瞬で魔物を倒した海斗君はすげー格好よかったもんなー」
「うざ。見てるなら手伝えよ」
「ちょ、それ親友に対する一言!?」
「煩いわ陸。黙りなさい」
ガーンと、音がするくらい
ショックを受ける陸を笑って
春は少し頬を膨らませた
「みんなが行ったなら春も行けばよかったなー……」
「馬鹿、春は来んな」
「そうよ、危ないもの」
海斗と奈々に注意されて
春はさらに頬を膨らませる
海斗は水や氷を
陸は炎を
奈々は大気や重力を
それぞれ操る事の出来る¨能力者¨
しかし、春は違った
魔物の気配を感じる事は出来るが
それ以外は何の能力も持っていない
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