空の少女と海の少年


──いつものように4人は
春と奈々の部屋で夕食を食べていた

こうしてみんなで
食卓を囲むのは中学生以来で
懐かしい気持ちを感じながらの
楽しい食事の時間

……ではなく。

奈々と陸の口喧嘩によって
険悪な雰囲気となっている


「だから、なんでそうなるのよ。」

「そーなるからそーなるんだよ!」

「は?訳がわからないわ。馬鹿じゃないの。」

「馬鹿は奈々だろうが!」

「なんですって?」

「なんだよ!」

「「………。」」


睨み合う2人を見つめながら
春と海斗は黙々と料理を食べる

ちなみに今日の夕食は
奈々特製クリームシチュー


「海斗〜。」

「ん?」

「そろそろ止めないと、部屋が壊れちゃう。」


陸は両手に火の玉を
奈々は重力の塊を
それぞれ作り出す2人を
春はパンを頬張りながら指差した

海斗は溜め息をつくと
スプーンを置いた


「……そうだな。」


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