空の少女と海の少年


その後、
駆け付けた先生達に事情を話して
俺達はその日早退する事になった

先輩達は自宅謹慎処分となって
それ以外の処分は無かった


ふざけんなって思ったけど
もうそいつらの事はどうでもよかった

それ以上の問題が起きたから



「──また……食べなかったのか。」

「ええ……。」


悲しそうに眉を下げた奈々の手には
全く手のつけられていない食事


あれから一週間が経った

あれ以来、春は自分の部屋に
引きこもるようになってしまった

部屋に入れるのは同室の奈々だけで
春は俺と陸との関わりを避けていた

あんな事があったんだから
仕方ないと思いながらも
春に拒絶されたという事が

物凄く、悲しかった


俺達も学校に行く気はしなくて
停学届けを出した後は
1日のほとんどを孤児院で過ごした

園長とかみんなも春を心配して
春を元気づけようと色々やったけど
春が部屋から出る事は無かった


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