空の少女と海の少年


「俺さ。」


俯く春の頭を撫でて
俺は小さく笑った


「¨ごめんなさい¨よりも¨ありがとう¨が聞きたい。」


そう言うと春は顔を上げた
そして、最高の笑顔を俺達に向けた


「……っ…ありがとー……。」


涙をこらえながら春は言った

春につられて俺達も泣いていた

嬉しかったんだ

春に笑顔が戻った事が
自分の気持ちを話してくれた事が


泣きながら笑っていると
陸が、よし!と小指を出してきた


「みんな手ぇ出せよ!俺達は一生、信頼できる友達……仲間なんだって誓おうぜ!」


陸の言葉に俺達は小指を出して
指切りげんまんをした


もう誰も傷付けない

大切な、大好きな仲間を

守ってみせる


一生の仲間である事を小指に誓って
俺達はそのまま眠りについた


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