ラヴドロップ
その時だった。
『何してんだよ。離せ』
聞き覚えのある声…
梶原先輩だ…
先輩は帰る途中だったみたい… さっきの女の人はいなかったから。
『ちっ。男つきかよ』
男は私の腕を離して去っていった
『大丈夫か?』
なんで先輩が…
さっきの女と一緒にいればよかったのに
『大丈夫です。ありがとうございました』
私はそれだけ言って先輩に背を向けた。
『瀬那?どーした?』
そんなに優しくしないでよ…
私を騙したくせに
『何もないです。さようなら』
私は走ってその場から逃げた。