スタッカート
それから
長い沈黙が流れて。
鼻を軽くすすったヒナが、体を小さく折り曲げて先生に頭をさげた。
「……おねがいします…」
震えるその声に、胸の奥がちくりと痛む。
親友が苦しんでいたことに何も気付けなかった自分を、不甲斐無く思った。
本当に私は、自分のことばかりで。
あの時、トキに言われなければきっと、こんなにも大切なことまで、分からないままだったかもしれない。
先生は、俯くヒナの頭にそっと掌を置くと、優しい笑みを浮かべて口を開いた。
「…これからも、よろしくね」
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