スタッカート
画面に映し出された、11桁の番号。
ボタンに指をあてたまま、目をつむる。
−これを押せば、繋がる。
冷えた指先に、力がこもる。
小さな感触とともに微かに聞こえた電子音に、ケータイを耳に押し当て、呼び出し音が鳴るのを待った。
―そこで。
私は、慌ててケータイを耳から離し、電源ボタンを押した。
待受画面に戻ったことを確認し、安堵の溜息をつく。
今って、トキの学校でも授業中じゃない…。
また、自分のことしか考えていなかった…。
そんな自分に苛立ちを覚え、
溜息を吐いて上半身を折り曲げ、目を閉じた。
…本当に、私は−……。
−その時
握っていたケータイが、震えた。