スタッカート

固まる私に、電話の向こうのトキは

「来るのか、来ねえのか」
なんて、いつものように素っ気なく、言葉を投げてきて。

受け取り損ねて返答に迷い、あ、だとかう、だとか、もごもごと口を動かしていると、ケータイの向こうの彼は小さく笑って


「校門で待っているから、さっさと来い」


…そう言うと、私の返事を待たずに電話を切った。



ケータイを耳にあてたまま、呆然とする。







終業を告げるチャイムが、静かな保健室に響き渡った。
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