スタッカート
案内されたのは、錆びたイスや、足の折れた机等が乱雑に置かれた教室だった。
「ここは…」
「空き教室だよ。もうずっと使われてないから、たまに換気しないと…」
そう言って、ハチさんは奥のほうから窓を開け始めた。
手伝おうと窓に手を伸ばしたけれど、それは素早く伸びてきたハチさんの手によって遮られてしまって。
私は眉を下げて、小さく頭を下げた。
ハチさんはにっこり笑うと、手に持った紙の束を私の目の前に持って言った。
「じゃあ、始めようか。チケット作り」