スタッカート
「…そうなんですか…」
…こういうとき。
もっと、他に何か言葉が浮かべばいいのだけれど、私の脳みそは全く使い物にならなくて。
―メンバーが退学になって―
以前勇太さんが言っていた言葉が蘇り、余計に私は、何も言えなくなってしまった。
家庭の事情で学校を辞めたり、退学になったり。
私の学校では、そういう話は、きいたことがなくて。
「まあ、うちの高校は色んな事情を抱えた奴が多いんだけどさ」
一旦ハサミを置いたハチさんが、目を細めて言う。
「みんな、毎日必死でさ。それなのに結局、どうすることもできなくて学校を辞めなくちゃいけなくなったり、本人は全く無関係なのに周りの奴らの所為で変な事に巻き込まれたりして辞めざるを得なくなったりさ。
そういう姿見てると……悲しくなるし、厳しいなって思うんだよね。」