スタッカート


遠慮がちに伸ばされた手が、私の頭にのせられる。

そのままぐりぐりと、乱暴に撫でられた。

「とにかく。……帰るぞ」


思い切り不機嫌そうに歪んだ顔でそう言ったトキは、手を離して、私に背を向けて長い廊下を歩いていった。


目をごしごしと擦って



私は、その後を早足で追った。

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