スタッカート
1
ピアノ教室の帰り。
いつものように、同じピアノ教室に通っているヒナと、バスターミナルでバスを待っていた。
すると突然、一緒のベンチに腰掛けてケータイをいじっていたヒナが、思い出した、というようにこちらに向かって大きく目を見開いた。
「東子(トウコ)、来週の土曜日、暇!?」
私はぼんやり眺めていたピアノ雑誌に視線を戻し
「別に何もないけど、何で?」
と答えた。
私の返答に、ヒナは興奮したようすで続けて言った。
「ライブにいこう!!」
「は?」
突然の提案に、思わず顔を歪めてしまった私の声を無視し、ヒナは一気に話しはじめる。
「私の学校の軽音部がやるライブなんだけど、今回はほんとにすっごいの!
…私ね、この前たまたま軽音部の部室の前を通ったんだけど、そしたら物凄く綺麗な歌声が聞こえてきて、鳥肌がたってその場から動けなくなっちゃったの」
そこで、一つ息継ぎをして。
「その次の日に、軽音のライブがあるんだけど来ないかって知り合いの先輩に言われて、その子もでるのかきいてみたら、バンドで出るって教えてくれたんだ」
.
いつものように、同じピアノ教室に通っているヒナと、バスターミナルでバスを待っていた。
すると突然、一緒のベンチに腰掛けてケータイをいじっていたヒナが、思い出した、というようにこちらに向かって大きく目を見開いた。
「東子(トウコ)、来週の土曜日、暇!?」
私はぼんやり眺めていたピアノ雑誌に視線を戻し
「別に何もないけど、何で?」
と答えた。
私の返答に、ヒナは興奮したようすで続けて言った。
「ライブにいこう!!」
「は?」
突然の提案に、思わず顔を歪めてしまった私の声を無視し、ヒナは一気に話しはじめる。
「私の学校の軽音部がやるライブなんだけど、今回はほんとにすっごいの!
…私ね、この前たまたま軽音部の部室の前を通ったんだけど、そしたら物凄く綺麗な歌声が聞こえてきて、鳥肌がたってその場から動けなくなっちゃったの」
そこで、一つ息継ぎをして。
「その次の日に、軽音のライブがあるんだけど来ないかって知り合いの先輩に言われて、その子もでるのかきいてみたら、バンドで出るって教えてくれたんだ」
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