スタッカート
純粋に、この人は音楽が好きなんだと思った。
そんなトキを羨ましく思ったのは、自分自身でも認めたくはなかったけれど。
私は少し胸に痛みを感じつつもすぐに無理矢理笑顔を作って、荷物を抱えソファから立ち上がった。
「それじゃあ、もう大丈夫だから…帰ります。色々と、ありがとう」
「…雨止んでねえぞ」
予想していた通り、玄関へと歩き出した私の背中にトキの声があたる。
「タクシー、呼ぶから」
長い沈黙
振り返った先には困ったように微かに笑うトキの顔。
玄関で突っ立っている私を上から下まで見た後
「そのスウェット姿でもいいならな」
と、彼もまた立ち上がった。
そんなトキを羨ましく思ったのは、自分自身でも認めたくはなかったけれど。
私は少し胸に痛みを感じつつもすぐに無理矢理笑顔を作って、荷物を抱えソファから立ち上がった。
「それじゃあ、もう大丈夫だから…帰ります。色々と、ありがとう」
「…雨止んでねえぞ」
予想していた通り、玄関へと歩き出した私の背中にトキの声があたる。
「タクシー、呼ぶから」
長い沈黙
振り返った先には困ったように微かに笑うトキの顔。
玄関で突っ立っている私を上から下まで見た後
「そのスウェット姿でもいいならな」
と、彼もまた立ち上がった。