スタッカート

いったい、何が……?
ライブハウスを出て、佐伯に会って、公園に連れてこられて、そこにトキが来て。

……そして。

「傷つける」?

状況をのみこめない私は、ただただ困惑するばかりで。

横断歩道の前で足を止めた佐伯の険しい表情からなにかを読み取ろうと、その横顔をまじまじと見つめることしかできなかった。

重い沈黙が流れ

私は拳を握りしめ、渇いた喉から声を搾り出した。


「……トキの事、知ってるの?」
< 246 / 404 >

この作品をシェア

pagetop