スタッカート


どこの?
誰の?

そう考えたら、近所しか無かった。




でも俺は、自分の団地の住民を殆ど把握していなかった。

両親は人付き合いが嫌いで、俺が外で友達を作ることもよく思っていなかった。
一度家に連れてきたときなんかは、親父に散々殴られた。


そんな事があったから、極力、それは「いけないこと」として、必要以上に他人とは関わらないようにしていた。



だから本当に、いちから始めたことだった。



夜、皆が寝静まった時間帯に家を出て「それ」を行った。


だいたいの家が当然きちんと鍵がかかっていて、やっと見つけたと思っても、そういう時は中に起きている人間がいる場合がほとんどだった。




でもその中でも、確かに「穴」はあった。













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