スタッカート
14
「……で、解決したの?」
病室の窓から、ゆったりと流れる綿あめのような雲を眺めていたヒナが、振り返ってそう言ってきて。
私は眉をさげて小さく笑った。
…解決、か。
「したといえば、した……のかな?」
トキの過去を知って、ひとりの意味をわかって。
…でも。
心に、ひっかかることがある。
それなのに、それについて考え込むと、あの時のトキの台詞ばかりが頭の中を駆け巡って、心臓がばくばくと騒ぎ出し、途端に顔が熱くなってしまう。
…落ち着いて、いられなくなる。
こんなままでは、いけないのに。
そんな私を見て、ヒナはにやにやと笑いながら
「トキくんに、何か言われたの?」
と、そう言ってきて。
私はため息をつき、火照る顔を両手で覆った。