スタッカート



「ひっかかってはいたんだ。

何か見落としてないか?忘れてないか?って。

だけど、この前、トキから“佐伯君”に再会したって話をきいてさ、ああこれだって気付いたんだ」


……佐伯

トキのことを、忘れたことは無かった、と言っていた佐伯。


「彼は今でも、トキのことを許していない。ずっと忘れていない。

トキは、あの兄弟の心に触れて、大きな傷を…消えない何かを、そこに残してしまったんじゃないか。


俺は、そう思うんだ。



それこそ、アイツが抱えていかなきゃならない罪なんじゃないか、って」
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