スタッカート



「ち…!違うっ」

慌てて否定すると、冷えた瞳と目が合った。

佐伯は不機嫌そうに視線を逸らすと、ならいい、とため息をついて。


どこか突き放されるようなその態度に、心がさらにしぼむ。
けれど、私はそこではっと目を見開いた。


……そうだ。…今しかない。



緊張で騒ぐ心臓を抑え、深呼吸をし、ゆっくりと口を開く。
鍵盤に視線を落としている佐伯の横顔に、言った。



「トキのこと…やっぱり今も、許せない?」





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