スタッカート
「学校から帰ってきたら妹が居なくなってたんだ。あの、滅多に外に出ないヤツがふらりとどこかに出かけるなんて考えられなかった。
外に出て必死に探した。丁度そのときは団地の敷地内に不審者が出るって噂を母からきいてたし、妹はまだ三歳で…物凄く、不安だった」
言って、佐伯はひとつ息を吐いた。
妹のことを心配し、敷地内を探し回る小さな佐伯を想像し、胸がぎゅっと締め付けられる。
…でも。
そこで、佐伯は
「妹の手を取っているアイツ…トキを見た時、真っ先に敵意が生まれた」