スタッカート
トキはそれ以上何も言わず、ベースをいじっていた勇太さんに声をかけた。

「勇太、ハチは?」

その問いに勇太さんは少し笑って答える。その笑顔は少し面白がっているというかんじだった。

「まぁ…いつものアレかな」

「またかよ…ぜってー泣いて帰ってくるだろ」

めんどくさいんだよ、と呟いて、トキが私のほうに目を向ける。

「おい。」

「…なによ」



「……俺はトキだ」










……知ってますけど……



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