スタッカート
「…ええ!?」
びっくりしている私を面白そうに見ながら、勇太さんが、でも、と続ける。
「廃部寸前だった軽音をここまでちゃんとした部活にしたしね。やるときはやるし」
「勇太、ほめすぎ」
恵さんが面白くなさそうに口を尖らせたけれど、勇太さんはほんとのことだろ、と笑って流した。
私の向かいから、鼻水をすする音が聞こえる。
「おれ…お前ら大好きだ……」
涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしたハチさんが目を潤ませて三人を見て言った。
そして満面の笑みで大きく手を広げる。
それは「この胸に飛び込んでこい」のポーズだった。
…しかし、誰もそれに応えることはなかった。
びっくりしている私を面白そうに見ながら、勇太さんが、でも、と続ける。
「廃部寸前だった軽音をここまでちゃんとした部活にしたしね。やるときはやるし」
「勇太、ほめすぎ」
恵さんが面白くなさそうに口を尖らせたけれど、勇太さんはほんとのことだろ、と笑って流した。
私の向かいから、鼻水をすする音が聞こえる。
「おれ…お前ら大好きだ……」
涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしたハチさんが目を潤ませて三人を見て言った。
そして満面の笑みで大きく手を広げる。
それは「この胸に飛び込んでこい」のポーズだった。
…しかし、誰もそれに応えることはなかった。