スタッカート

…それは…つまり、もう軽音部には来るなって事で。

ショックで、固まってしまった。

…迷惑。

だったって事かな、やっぱり。

名前も知らないたくさんの機材、楽器、ぼろぼろのイス、埃をかぶったグランドピアノ。
初めて目にするものばかりの、そこは新しい世界だった。


もう来れない…。
胸がキュウッとなって、凄く寂しい気持ちになる。


―でも、嫌だなんて、言えるわけがない。


これ以上関わって欲しくはないんだ、きっと。


だから


「……わかった」

そう答えるしか、なかった。



―そして重い沈黙のまま、私たちは校門に着いた。

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