スタッカート
「また、同じ事言われちゃった…」
乾いた喉から、そう声が絞り出されて、視界が滲む。
トキが困惑した顔で、私に近づいてくるのが分かる。口が動くのが見える。
「なに…」
「―帰って」
トキの顔を見ずに、言葉をさえぎってはっきりと言った。
「出てって!!」
お願い。
お願い。
これ以上何も言わないで。
―思い出してしてしまう。
顔を俯かせ、溢れそうになる涙をこらえながら、私は記憶と戦った。
それからいくらかして、窓がしまる音が聞こえて。
音楽室には、もう私以外の誰の気配も感じられなかった。
「――ッ」
再び一人になった音楽室で、私は腰がぬけたように座り込んだ。
…チャイムの音が、いつもよりやけに響いて聞こえた。
.
乾いた喉から、そう声が絞り出されて、視界が滲む。
トキが困惑した顔で、私に近づいてくるのが分かる。口が動くのが見える。
「なに…」
「―帰って」
トキの顔を見ずに、言葉をさえぎってはっきりと言った。
「出てって!!」
お願い。
お願い。
これ以上何も言わないで。
―思い出してしてしまう。
顔を俯かせ、溢れそうになる涙をこらえながら、私は記憶と戦った。
それからいくらかして、窓がしまる音が聞こえて。
音楽室には、もう私以外の誰の気配も感じられなかった。
「――ッ」
再び一人になった音楽室で、私は腰がぬけたように座り込んだ。
…チャイムの音が、いつもよりやけに響いて聞こえた。
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