スタッカート

私は泣いた。


大好きなピアノ教室、優しいピアノの先生。私と一緒の時期にピアノ教室に入ってきたヒナ。


けれど母の気持ちは動くことは無かった。


コンクールの二ヵ月後、隣町にある、有名な先生のいる大きなピアノ教室に通うことになった。


慣れない環境。
分からないことばかりで。


私は友達も出来ずに毎日泣いていた。

すると、それから一週間後にヒナもその教室に移ってきた。


私と一緒のピアノ教室に行きたいんだと泣いてせがむので、仕方なく入会させたのだと、それから何年も後になってヒナのお母さんからきいた。
< 75 / 404 >

この作品をシェア

pagetop