スタッカート
コンクール当日、私は直前まで手の震えが止まらず、冷や汗が出て呼吸も荒かった。


緊張と不安。
絶対に間違えていはいけない、と自分で自分を追い込んでいた。


少しでも間違えればまた怒られてしまう。
また殴られてしまう。

もっと酷いことをされてしまうーそんな事ばかりが、私の胸をかき乱していた。


気付けば、私の番が来ていた。


照明が落とされた会場に、私の番号と名前が響く。

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