クローバー
「王室…」
セイはサヤが開けた扉に入った。
部屋はとても広く、床には一面真っ赤な絨毯が敷かれ、中央には十人ぐらいの人が座れる丸い大理石のテーブル。そのテーブルの奥にはこの国の王しか座る事の出来ない王座。だが王座にはあの老人の王ではなく、若い、燃えるような赤い髪のレオンが座っていた。
サヤが出て行って二人になると、レオンは昔と変わらない笑顔を見せてくる。
「やあセイ、二年振りだね」
「ヨツバはどこだ?」
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