クローバー
「おい、待てよ!このまま魔女の城に戻っても、またあの時のように自由を奪われるだけだぞ!」
あの時のように、自由に人と話す事も出来ず、街へ行く事も出来ず、ただただ部屋で過ごすだけの毎日。
お前は自由になりたかったんだろ?街に行ってみたかったんだろ?城へ帰ったって、待っているのはつまらない日々だけだ。それに私はお前に…。
「ありがとうセイ」
ヨツバはセイに背を向けたまま喋り出した。
「貴女のおかげで、記憶が戻った。ほんの僅かだけど、セイと過ごした時間は楽しかった。本当に…」
< 184 / 331 >

この作品をシェア

pagetop