クローバー
「死ぬかと思いましたけど…」
「良かったな。生きてて。命は大事にしろよ」
素っ気なく言い、歩き出したセイの真横を黒い斬撃が通り過ぎた。
「……」
何の真似だ?と言うようにセイが見ると、サヤは剣を構えたまま言った。
「貴女は国家騎士隊の隊長として王都に残ってもらうようにと、レオン様からの命令です」
またか…。
「私は戻ったつもりは無い」
「なら、力付くで連れて行きます」
剣を構え直すサヤに、セイは思いっきり睨み付けた。
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