クローバー
「……綺麗」
もちろん部屋ではなく、窓辺に置かれた机に突っ伏し静かな寝息を立てている人物。
おそらくこの人がサヤの上司の隊長。
「……」
ただ寝ているだけだが、その人の寝顔も、煌めく銀髪も、騎士の制服でさえも、目の前の人の全てが美しかった。
まるで神のように神々しい。
と、サヤが隊長に目を奪われていると、隊長が目を覚ました。
「ん…」
開けた目とサヤの視線が重なる。
「何だ、お前?」
目を覚ました彼女はやはり綺麗だったが、サヤは胸の鼓動を抑え姿勢を正した。
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